今朝の体重:計測せず
外泊のため計測していない。
<朝>
部屋から眺められる、朝一番の電車の時間に併せて起床する。昨日、フロントのお姉さんが話していた通り、昨晩の雷が嘘のような、何ならうっすらと青空も見えるような天気だった。検索すると大井川鉄道は無事、通常通りの運行をしているとのことだ。定刻から3分程度遅れて電車は通過した。緑の背景・モクモクした雲・川の風景に赤の鉄橋が映える。
さて、撮影後はまず風呂だ!サウナと水風呂6分x4本を行い、すっかり汗を流す。だが、正直サウナと水風呂は浦和や東京でも体感できる。ここでしか経験できない温泉と水風呂を何往復もして堪能。気持ち良し!
浴後は朝食だ。チェックイン時に「松花堂弁当」と言われていて、ビュッフェじゃないのかー、残念、と思っていたが、なかなかの内容に満足。
昨日のドリンクチケットで朝からビール、更に有料でお代わりも頂いたのはここだけの秘密だ。ガッツリ風呂で汗を流した後なので特に旨い!
食後、ちょうど電車が通る時間帯に。浴衣のままだが鉄橋近くまで行ってみることに。あぁ、こりゃいいねぇー。
部屋に戻り、荷物整理してチェックアウト。歩いて最寄りの駅へ行く。
駅には、恐らく元駐在駅員の居住スペースだったと思われるところにいい感じのカフェがあった。「オープン」と書いていたので店の扉を開けようとしたら思いっきり鍵が掛かっていてクローズ状態だった…。
雰囲気あったし、30分程度時間があったので、コーヒーの一杯でも飲みたかったが、仕方なく駅の待合室で作業して過ごすことに。
やがて来た「千頭駅」行きの電車、元東急電鉄の車両で2両ともロングシートだった。ボックス席が良かったんだけどなー。とはいえ、乗ってしまえば良い感じだ。缶ビールをプシュっとしながら車窓を楽しむ。
やがて普通電車やSLで来れる最終駅「千頭駅」に到着。ここから先は小さな車両にての運行になるため、別の車両に乗り換える。井川ダム建設の資材運搬のために設置された鉄道なのだ。
車内は横2-1の座席数。車両同士の行き来はできないタイプの電車だ。なるほど、こりゃトイレ付きかどうとか云々と言ってる場合じゃ無いわな。車端部はロングシートでゆったりできる。
客は少なく、この車両一両に私しかいなかった。
上記の写真の機関車、普通であれば引っ張っていくと思うが、後ろから押し上げるタイプの機関車だった。私の事前学習が足りなかった。想像よりもゆっくりとしたスピードで電車は往く。
車内はノーエアコンだ。代わりに窓全開できるのだが、発車前は車内が暑いなぁ、と思っていたが発車してしまえば大井川渓谷からの天然の風が非常に心地よい。ううむ、これはやはり楽しいぞ!ビール・ハイボールが美味い!
途中「アプトいちしろ駅」にて機関車を追加する作業がなされる。約5分の停車時間があるので、ダッシュでまずはトイレで用を足し、機関車の連結作業を眺める。強そうな機関車が連結された。
この駅以降の約1.5km、定期運行している日本の鉄道の中で唯一の、アプト式で運行している鉄道なのだ。
アプト式とは、まぁ、ググってもらえればよいが、ざっくり言うと電車の車輪が乗る線路に加えて、第3のレールとして歯車型のレールを設けて車両にもその歯車の車輪を設けることによって、急勾配をも確実に走行させる技術なのだ。今や、すいっと新幹線で行ってしまうが、かつては急勾配の難所だった「横川―軽井沢」間に鉄道を走らせることができたのもこの技術なのだ。
2本のレールの間にある第3のギザギザの歯車レールがアツい。唸りを上げて機関車らは客車を押し上げていく。
次の「長島ダム湖駅」でアプト式の力持ちな機関車は離れ、通常の列車は大井川の奥へとずいずい進んでいく。
この辺りまで来ると山々の圧が凄い。写真を撮ろうとしてもフレームに入り切らないほどの迫力で山々の様子が迫ってくる。
そんなこんなで終点の「井川駅」へ到着。乗り換えた「千頭駅」から1時間40分。大井川鉄道を楽しみながら来ればあっという間だった。
さて、引き返すための電車までは十分に時間がある。井川ダムを横目に見ながら向かうのは「廃線跡」である。
先程降りた「井川駅」から、かつてはもう一駅先「堂平駅」まで鉄道が延びていたのだそうだ。その駅は伐採された木材を鉄道に乗せるのが目的で、旅客の扱いは無かった。やがてこの駅は廃止になり、井川駅から先の路線は廃線になったのだそうだ。
その廃線跡は今は遊歩道となっており、線路や枕木もまだそのまま残されている路線を歩くことができるのだ。トンネル等もそのまま残っていてくぐれたりする。
今にも向こうから電車がやって来るような気になりながら、線路を歩いていく。
「堂平駅跡」はただの林のある広場になっていた。そこから山道を登って地元の農林産物センターの直売所へ向かうことに。
<昼>
直売所でまずは一杯。缶ビールを頂く。朝から行動していると朝食を食べていても腹が減るものだ。つまみは地産の野菜天。これがまた旨し!(このボリュームで500円だ。)
地元の農林業関係者らもランチに来ている。年配者が年下の人らに缶コーヒーを奢っている姿が微笑ましい。
彼らが喰らっている蕎麦が美味そうで、ざる蕎麦を注文。
麺が太く、荒々しい蕎麦。不味いわけではなく、かといって超美味い訳ではない。素朴な蕎麦だ。不思議な魅力のある蕎麦だった。
「廃線跡来たの?あそこ、山ヒル多いから気を付けないと!」とはお店のおばちゃんの話。そういう話は歩く前に聞きたかったなぁ。(足元を確かめたが、結果吸われていなかったが。)
食後、来た道とは違う道を歩いて駅へ。ほぼ下り坂でいい感じで歩けた。
「井川駅」に到着。発車までしばらく時間があるので待合室でしばらく作業を行う。周りに時間を潰せる店など一切無いのだ。
やがて時間になって発車。ハイボール等を飲みながら大井川鉄道の最奥の車窓を楽しんだ。
40分程度戻り、「奥大井湖上駅」で下車。駅名からして気になると思うが、まずは線路脇の細い道を通り、山肌へ至る。そこから先がなかなかの苦行だ。数百段に渡る急な階段を登らなくてはならない。
たまにこういうことをしなければならなくなるのが「旅」だが、普段からランニング・筋トレ等で体を鍛えていてよかったとしばしば思う。とはいえ、汗だく・ゼイゼイ呼吸しながら登る。
そんな先から眺めた、さっき降り立った駅方面の風景がこれだ!
上記写真の真ん中にある出っ張りに駅があり、そこから左方向に鉄橋を渡って、山の階段や県道などを登ってこのスポットまで上がって来たのだ。
さすがの私もこの眺めを見て、これはここまで上がってきた価値があった、と思いつつ汗だくな中しばらくこの景色を眺めていた。
今日の目的の宿は、「湖上駅」から一駅行った「接岨峡(せっそきょう)温泉」にある民宿だ。平日の真ん中の水曜日に唯一、大井川鉄道の奥地で予約できた宿だ。途中、「歩くと50分くらいかかるよー」という看板を見かけながら、頑張って県道?を歩く。
山の風景を眺めながら楽しく歩いていた。しかし、もうあと15分程度で宿に着く頃になかなかの雨が降り出し…。傘をさしながらようやく宿へ。
チェックインを済ませる。「風呂が一つしか無くて、女性3人組のお客さんが別に居るので上手く使ってねー」とご主人。あー、こういうところが民宿面倒いなぁ。雨に濡れているのでさっさと部屋に入り、浴室に向かうが、先にその女性の方が使っているらしく…。
汗だくで雨に濡れてさっさと風呂に入りたいが仕方なく自室に戻り、まずは諸々の作業を行うことに。(結果的にこのタイミングでがっつり作業できて良かったが。)
作業終了。とはいえ、「3人居ればまだ風呂から上がらないよなー」と思ったため、今夜の酒を入手しようと外出。外出の際に「今夜・明日朝の風呂の時間帯を男女で区切ってもらえないか」とご主人に話す。
雨降る中、ご主人に案内された向かいの酒屋、酒屋というには何だかアレな感じだったが、欲していた最低限の品である、缶ビール・炭酸水は入手できた。冷蔵用の氷もサービスしてもらった。明日は何時からオープン?と聞くと、「朝から起きてる時間はいつでもOK」となんとも緩やかなオファーを頂けた。
買い物帰り、女性3人組の一人がフロントに居た。「宜しかったら先にお風呂どうぞ」と。なるほど。ちゃんとした人のようだ。有り難く「すみません、先に頂きます」と入らせてもらった。(こういう相手だからこそ時間を分けたいと思う。)
風呂は「実家の風呂か?」と思う程狭かったが、湯はめちゃくちゃいい温泉だ。昨日の川根温泉は勿論、先日のわたらせ渓谷鐵道の温泉よりも「ヌルヌル」が髙いように感じる。だからこそもうちょっとゆっくり入って居たいのだが…。
<夜>
浴後、自室で作業の続きなどを行う。やがて夕食の時間になったので食事処へ。囲炉裏があり、雰囲気の良い感じの食事処だ。外は大雨だがそれが却って涼しくて良い。ビールで乾杯だ。
囲炉裏で炙った岩魚、山菜の天ぷら等が美味い。
更に途中で出された、「ナスとしいたけと大葉の味噌炒め」が非常に美味い。調理場のお母さんと話をする機会があったので聞くと、私の想像通り、味付けは「味噌・ちょっとにんにく・酒・みりん・隠し味程度の砂糖」とのことだ。更に味噌は「この辺りの人らは皆自分の家で1年位かけて漬けてるのよー」とのこと。ううむ、味噌の旨さが最大の決め手のような気がする。
どれもがいわゆる田舎料理だが、それがまた美味く、ついついビールが進んでしまった。「皆さん、明日の朝食は何時にしますか?」とのご主人の問いかけからの「お風呂の時間はいかがしますか?」と。おぉ、多分このおっさん、曖昧にして濁すだろうなー、と半分諦めていたのでタイミング見計らって私から女性陣に相談申し上げようと思っていたのだが、根回し通りにちゃんと打診してくれた。
その結果お互いの同意の元、今晩は22時以降に、明日の朝は8時以降に私は風呂の時間を頂くことに。彼女らも気にしていたようだったのでお互い気持ちよく過ごせそうだ。
食後、彼女らに挨拶して食事処を失礼して自室に戻る。諸々作業が残っていたので、風呂を待つ間、夕方に買っておいたビールを飲みながらガシガシと対応する。
21時半頃、まだ宿の人が居るであろう時間のうちに氷をもらっておきたいなー、と思い厨房を訪問。案の定、食事の片付け中だった宿のおばちゃんから氷を調達。すると、例の女性陣の一人が「私が最後だったのでお風呂どうぞ」と。想定よりも早めの時間に入浴深夜の部を楽しむ。
狭いし制限はあるが、やっぱりヌルヌルしたいい湯なんだよなー。温泉と水シャワーを往復して楽しんだ。
浴後、自室に戻り、ハイボールを飲みながらゆっくり過ごしつつ、今日入手した情報を基に明日の予定を立て直す。やがて早めの時間に就寝した。