朝の体重:計測せず
外泊のため計測していない。
<朝>
普段よりも大分早い時間に携帯アラームで起床。目的はサウナだ。
タオルと水を持って大浴場へ。風呂に浸かったり、サウナと水風呂を往復したり。水風呂は昨日より更にぬるかった。狭いながらもいくつか休憩用の椅子があり、露天の椅子に腰掛けてふぃ~っとする。
朝から気持ちよく整え、朝食を取りにレストランへ。普段食べない朝食だがこういうところに来ると頂きたくなってしまう。そして朝からビールでも飲みたい。
朝食会場がビジネスホテルにしては珍しいインド料理屋だった。明らかなインド人店員に、料金払うからビール出してくれない?と聞くと残念ながらノービアーとのことだ。
今回もこの想定をしてこっそり持ち込んだウイスキーの小瓶が役に立った。しかもここのソフトドリンクのディスペンサーには炭酸水の準備もある。ハイボールで乾杯だ。旨し!
本格インドカレーが6-7種もあって楽しい。少しづつ食べ比べたが、シーフードカレーが一番美味しかった。写真の他、何度かお代わりをし、ヨーグルトも頂いた。
まだチェックアウトまで時間があるので最後のひとっ風呂へ。サウナはさっき散々入ったし既に飲んでいるので主にぬるい水風呂に浸かって過ごす。
部屋に戻っていろいろ作業したり、ダラダラしながらゆっくりと荷物整理。やがてチェックアウトの時間になってホテルを後にする。
<昼>
今夜の宿は京都だ。移動中、大阪でもうひとつ食べておきたかった食べ物「うどん」を頂くことに。このために朝のカレービュッフェはそこそこにしてお腹に余裕を持たせていた。
適当な立喰うどん屋(椅子完備)にピットイン。「スタミナうどん」を注文。非常に旨し!
関東で麺類に「スタミナ」と付いているとピリ辛・にんにく・ひき肉のようなイメージを持つが、大阪の「スタミナうどん」は、かき揚げ&生卵のいわゆる「天玉」だったり、牛すじや肉を煮たものが入っているものだそうな。
この店は生卵・たっぷりわかめ・ごぼうと生姜で甘辛く煮た牛肉がトッピングされていた。関西のすっきりした出汁に、食べているうちに肉の甘辛い生姜風味がじんわりしみ出てきて出汁に非常にマッチする。関東でもこういうの食べられれば良いなぁ。
電車で移動する。サントリー山崎蒸溜所の前を虚しく新快速は過ぎていく。ダメ元で見学のキャンセルが出てないか電話で確認したものの残念ながら出ていなく。昨今のウイスキーブームの中、見学はおろか有料試飲や買い物目的の入場ですらチケット予約争奪戦なのだ。
京都駅で明日の帰りの新幹線チケットを発券し、地下鉄で四条へ。地上に出ればそれとなく祭りの雰囲気が。祇園祭は「前祭(7/17巡行)」「後祭(7/24巡行)」の2回に分かれている。前祭の方が注目されがちで規模が大きいが、後祭は逆に人出が少ないのでじっくり見て回れる。
まずはホテルにチェックイン。目的の保存会近くかつ安かったのでたまたま取ったホテルだが、週末は12時チェックイン、11時チェックアウトと非常に都合の良いシステムで有り難い。
楽天トラベルで「洗濯機あり」と書いていたが、まさか部屋に設置されているとはねぇ。便利!
部屋にて一晩の基地を整備し、しばらくゆっくりして外出する。まずはいろいろ買い物を済ませる。母に依頼されて親戚たちに京都のお菓子やら贈るのが恒例だったが、コロナ禍でしばらく別の物を送っていて3年ぶりの恒例復活だ。
ホテルへ戻るとちょうど大浴場オープンの時間だったのでひとっ風呂浴びに行くことに。すると昨日のホテルよりも更に小さいながらサウナが!これは楽天トラベルに書いてなかったぞ。思わぬラッキーにテンションが上がる。流石に水風呂は無かったが。サウナ&水シャワーでしばらく往復する。
一人用程度ではあるが露天風呂があり、そこで外の風を浴びながらふぃ~っとする。良い天気だ。関西は都市に山が近いせいか空や雲が近く感じる。学生時代からこの感覚が好きだ。
期せず整い、部屋に戻る。買っておいた缶ビールをプシュしながらしばらくゆっくりして外出。京都に住んでいる友人宅を訪問するのだ。家族の皆さんもよく知っているので本来であればタイミング併せて食事でもしたかったのだが、一家揃ってコロナになってしまい。ようやく今日療養ホテルから帰るのだとか。
「帰っているはず」と聞いていた時間にピンポンを押すが、そういや家の前に車が無い。あー、まだ帰って来てないのかー、しまったー!と思っていたらちょうど友人ファミリーが車で帰ってきた。ナイスタイミング。
家にお邪魔するのは流石にコロナのリスクが高そうなので近くの喫茶店でお茶することに。レモンゼリーとアイスコーヒーを頂く。友人も家族の皆さんも元気そうで何よりだった。いろいろ話す。
友人が車で祭の中心界隈まで送ってくれた。ファミリーと手を振って別れる。
<夜>
さて、陽も傾けかけた頃、今回の目的に取り組む。約25年前、取材でお世話になった保存会の皆さんにご挨拶に行くことに。コロナ禍のため3年ぶりに来ると街並みも大分変わっていてびっくり。
保存会の本部基地は会所(かいしょ)と呼ばれる。会所の2階以上に挨拶したい相手たちが詰めている。だが、関係者以外立ち入りNG。そしてざっとグラウンドスタッフを見渡した限り、私が見知った顔は無い。
なので、店番している年長の女性、恐らく挨拶したい対象の誰かの奥様だろう。そちらに「囃子方の皆さんにご挨拶したく。Sさん、Kさん、Mさんたちいらっしゃいますか?」と。業界の専門用語および具体的な担当者名を複数出すのがポイントだ。
案の定、会所の裏の入口にご案内してくださった。ちょうどそこに名前を出したSさんが。「おー、久々やんなー!上がって、上がって!」と。囃子方の年長格のこのSさん、実は繊維化学の権威で超偉い人なのだがここではただの気さくな囃子方のおっちゃんの一人であるのが面白い。
いろいろ懐かしい皆々様と3年ぶりに再会。皆さん、嬉しそうに声がけしてくれる。近況だったり、最近の話題、家族の話、やっぱりコロナの話題、今年の祇園祭トピック…。会いたかった皆さんといろいろ会話を楽しむ。
そのBGMはお囃子だ。コロナ前は年に1回普通に体験できていた「非日常的空間」。聞き慣れた好きな曲、久々の間近で観る生ライブ、涙がこぼれそうだった。
こちらにお世話になるきっかけになったKさん。息子のS君(「君」といってもけっこう兄貴分なのだが)が「家に行けば親父居るからピンポンしてきなー」と。早速お宅にお邪魔し、「おぉ!久々やなー。元気そうで何よりや」と。3年ぶりのご挨拶ができた。
いろいろこの数年の話や、最近の祭の話、Kさんは刺繍の名職人なのでその業界の話などなど、つい話込んでしまうし、つい聴き込んでしまう。ちょっと遠くにお囃子の音を聞きながら。
お世話になったのが25年前。Kさん、御年81歳。この数年の間で病気で手術などを経たとのことだが見た感じは元気そうで何よりだった。
ちなみにKさん宅の路地は関係者以外立ち入り禁止になっている。こんな雰囲気ある路地の風景、放っておけば観光客が押し寄せて仕方ないだろう。
やがて囃子方の皆さんは「日和神楽」(ひよりかぐら:巡行本番である明日の晴天を祈り、囃子を演奏しつつ四条寺町の旅所(祇園祭の神様が八坂神社から祭期間中そこに出張している)を詣でる行事)に出ていった。
そうなると深夜の行事まで私はアイドルタイムとなる。すっかり皆さんとの話にしばらく夢中になって忘れていたが腹が減っている。そして何よりビールを飲みたい。一旦ホテルに戻って荷物を置いたりして再度外出する。
向かうは京都で展開する串カツチェーン店だ。2夜連続で串カツだが気にしない。何故ならこの店、学生時代に大学の近くにあった思い出の店のブランチなのだ。よく飲み会とかで行ったっけな。今でこそ、安価で美味しいので要予約の人気店らしいが、当時は普通の店だった。何なら金の無い学生にとっては「ちょっと高め」な印象すらあったが。
瓶ビールとともに串カツ「お得10本セット」を注文。旨し!
ただでさえ串カツは旨い。そして空腹。思い出補正のあるこの店。そして保存会を見れて胸いっぱい。旨く無い訳が無い。
「たこ八ボール」。たこ焼きに似せたコロッケをだし汁で食べるものだ。学生時代に食べて衝撃的な旨さだった記憶がある。25年後の今、まだ健在メニューだったのね。
美味い。だが懐かし補正を含めても衝撃的なほどではなかったことが少し寂しかった。今も付き合いのあるA君とサシ飲みして「これ美味いからもうひとつ注文しようよ!」などと盛り上がっていた記憶がある。
写真の他に頂いた、だし巻きたまご・生麩田楽は私の中で京都に来たら頼むべしメニュー2種だ。追加串カツのスマッシュヒットは「つぶ貝ガーリックバター」だった。2本お代わりしてしまった。
さて、ラストオーダーも終わり、そろそろ良い時間になった。お会計を済ませ、保存会の近くを再訪問する。
祇園祭の宵山(よいやま:巡行日の前日にあたる日。いわば前夜祭)最後の深夜の行事、「あばれ観音」だ。保存会の御神体「楊柳(ようりゅう)観音」を神輿に縛り付けて囃子方が町内をわっしょいわっしょいと担ぎ、定位置で上下に大きく揺らす。23時33分、行事は開始された。
ギャラリーが京都の狭い通りに密集する。北側の端が人が少なく、ビューポイントとして最適なことを知っている人はそう多くない。
最後、手締め&拍手で終了。静かめな祇園祭の行事の中で、なかなか熱い行事なのだ。
柳の枝は「爪楊枝」の原料となる。歯の間の汚れを落として口内の健康を保つ、というところから、御神体の「楊柳観音」は健康を司る神様と言われているらしい。「せやから、囃子方の皆、病気してもみんなそこまで大事に至らないねん」と言っていたのはOさんだ。
そもそも、西暦700年代に京都中に疫病が流行り、その原因は怨霊の呪いであるとし、それを慰撫する目的で始まった祇園祭。どうかコロナが収束しますように。
てっぺんを越した頃、ホテルに戻る。まずは大浴場で汗を流す。部屋に戻ってダメ押しの缶ビールをプシュしてしばらくゆっくり過ごす。〆にカップスープを飲んで就寝することに。なんだかすごく濃くて長く、けっこう歩いて疲れた一日だった。