糖質制限で減量したり、現状維持に挑戦する記録

高寺伸吾・45歳。2015年頃、都合9ヶ月間で約38kg減量。今は食生活を昔に戻しつつ、ジョギング等で体を鍛えながら減量中。

6/22 1995日目 東照宮の食堂のおばあちゃんと

今朝の体重:計測せず

外泊のため計測していない。

<朝>

携帯アラームで起床する。いつもよりも早い時間だが、入浴や朝食のタイミングを考えるとこの時間に起きるべきなのだ。

まずは温泉だ。今日の宿も昨日と今日とでは男女の浴場入れ替わると聞いていたが、どちらの大浴場にもドライサウナが付いていることはフロントのお兄さんから聞いていた。がっつり5本ほどサウナと水風呂を往復する。用意しておいた給水器の水を飲みながら。朝からすっかり整う。気持ち良し!

浴後、朝食を頂くことに。昨晩の料理が良かったので今朝も期待できる。朝からビールととも頂くことに。やはり料理は旨し!

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湯葉は汲み上げ&湯豆腐が準備されていて旨し!焼き立てオムレツも美味かった。写真のオムレツはラタトゥイユソースだったが、お代わりで頂いたツナクリームソースも美味かった。

食後、自室で荷物整理しながらダラダラ過ごす。昨晩の氷が冷蔵庫残っていたのでハイボールを飲みながら。やがて10時近くになったのでチェックアウトする。

最後にホテル近くの廃墟をもう一度じっくり眺めて駅方面へ歩いて行く。今日は昨日と違って曇り気味なので日差しは強くなく、しかも下り坂気味なので歩きやすい。

さて、今回の旅の3大目的うち「コンパートメントに乗車する」「廃墟群を鑑賞する」は達成した。今日は残る一つ「日光東照宮を詣でる」を実行するのだ。

当初、昨日の2目的がメインで今日の東照宮詣は「ついで」のように考えていたが、この後紹介するがその道中でなかなか面白い出会いがあり、結果的に今回の旅のハイライトとなった。

まずは30分程度、ローカル線で戻り、そこから電車を乗り換えて10分程度すれば東照宮とのこと。ローカル線、赤のモケットが印象的なボックス席だ。1車両に3組程度しか居ない。靴を脱いで足を伸ばしてビールを飲みながら車窓を楽しむ。

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乗り換えすべく下今市駅に下車。その後10分程度で東武日光駅に到着だ。

日光、小学生の頃に修学旅行で来た以来だ。何となくワクワクしてくる。まずは余計な荷物はコインロッカーに預け、最低限の荷物(ノートPC入りのいつものバッグ)を持って歩き始める。

観光協会の窓口で東照宮まで歩いてどの程度かかるか尋ねると「上り坂なので20~30分くらいかかると案内しています」とのことだった。確かに上り坂で30分近くかかってようやく東照宮の入り口に到着。この時点で汗だくだ。

その後、階段や砂利の参道を登り、さぁ、ようやく東照宮的な雰囲気になりそうなところにちょうど休憩できるような食堂があった。ビールでもひと飲みして休憩しようと考えて入店。

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すると、おばあちゃんが店番をしていた。缶ビールを一本頂く。外の値段表には400円と書いていたが350円でいいよ、と。あらそうなの?あざっす!と、プシュッと開けてゴクゴク飲む。旨し!

おばあちゃんと店内で少し話していると「まぁ、座って休んで行きなさいな」と食堂の客席に座らせてもらいながらいろいろと話を交わす。この店、何と100年続いており、おばあちゃんは3代目なのだとか。上品な雰囲気が印象的なおばあちゃんだ。

「この店に嫁いできたんだけど本当は商売するのが嫌でねぇ」「私は3代目なんだけど初代が厳しい人で私の義母は大分苦労したようで」「でも私は自由にやらせてもらったわ」等など。85歳でこの店を切り盛りしていて、10時~15時くらいまで開いているそうだ。他にもいろいろ話を伺った。「こうやって若い人と話すると元気が出るのよー」と。こういうコミュニケーション、決して嫌いでないので楽しくお話を伺った。

話の途中で「お兄さん、東照宮まだ観てないでしょ?」と促され、「じゃぁ行ってきますわ!帰りにまた寄りますねー」と一旦、店を離れて東照宮を詣でることに。

店から少し歩くといわゆる日光東照宮の雰囲気ある場所へ。小6の頃来ているはずだが全く記憶に無いなぁ。しかしどこを切り取ってもゴージャスな造りだ。

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日本人の間では最も有名なエテ公の彫刻を確認。プラスチック製!?見ざる・言わざる・聞かざるの他にも謂われのあるエテ公の彫刻?もあった。

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東照宮といえばー、のもう一つ、著名な彫刻家・左甚五郎作の眠り猫像だ。思っていたよりも小さい猫ちゃんだなぁ。

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その後、250段の石段をひーこら言いながら登って徳川家康公の墓も参ってくる。大変ではあったが杉の森林の中の石段がなかなか風情があり。

再びおばあちゃんのお店へ。「あらー、早かったわねぇ。」「でもおすすめ通り奥まで行ってきましたよー、奥でしか買えない眠り猫キーホールダーのお守り買ってきましたよー」「凄いわねぇ。私も見たことないわ。見せてみせて!」みたいな会話しつつビールをもう一本頂きながら休憩。

「ちょっと湿気ってるんだけどね…」と言いながらピリ辛の煎餅をサービスで出してくれた。こういう時は糖質制限云々を言うのは野暮だ。「いいんすか!?頂きます!!」と。もう一度、食堂の椅子に腰をかける。煎餅、ビールのアテにちょうど良かった。

往きの話よりも更にいろいろ深い話を伺った。おばあちゃんが二十歳の頃に地元からオリンピックに出場するスケートの選手の壮行会で和服姿で花束を渡した話、昔はこの店に寿司のカウンターやタバコ売り場があった話、東照宮の祭りの仕切りを長年任されてきたこと、東照宮宮司さんらとも仲が良いこと、でもそろそろ年だし祭りの仕切りはお断りする予定だということ。「店の跡取りは?」と聞くと、成人して社会人になっているお孫さんらがもしかしたら継ぐかも?という話があるとか無いとか。

お孫さんのお母さん、つまり娘さんは若くして亡くなってしまったこと、しかもそれがおばあさんが仕切っている祭りの当日のことだったとか。店はその日は休業するつもりだったけど友人らが「祭りの日に店を閉めるなんてとんでもない。店は私らに任せて!」と店を閉めずに娘との最期の別れができたので友人らには頭が上がらないのだとか。

一通りお伺いした後、「普段、こんなこと話さないんだけどお兄さんは何だか話しやすくていろいろ話しちゃったわー」と。インタビュアー冥利に尽きる。

「汚い店なんだけど『この雰囲気が良い』とNHKのプロデューサーさんに頼まれて連続テレビ小説の撮影がここでされたこともあるのよー」と。「あんまり雑誌とか買わないんだけど自分の店が映っていると嬉しくてねー」と「天うらら」の雑誌を見せてくれた。おぉ、萬屋さんの写真だ。

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日光出身の女性が東京・木場で大工を目指すストーリーらしい。「NHKに出るようなトップの俳優さん女優さんは話しやすい気さくな方ばっかで天狗になっている人なんかとは違ったわー」と。

確かに店の中は昭和で時間が止まったような雰囲気なのだだ。「富士フィルム」の看板などもあり。でもそれがかえって落ち着く雰囲気を醸し出している。写真左下のおばあちゃんが今回の話相手だ。

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日光に来て、ふらりと入った境内の食堂にてこんな話を聞けるとは。この食堂の歴史とおばあさんの話だけで何かとても良い番組ができそうな気がした。

すっかり長居してしまい、そろそろ失礼しようとすると、おばあさんはメモ帳を出してきて「お兄さんの連絡先聞かせてちょうだい」と。名刺の裏に家の住所を書いて渡す。

「また来てちょうだい」「また来ます。いつまでもお元気で!」と言葉を交わし、こういう時世なので握手ではなく肘タッチして失礼する。駅に向かう坂を下る。

角を曲がる時、後ろを振り返るとおばあさんがまだ見送ってくれていた。「その角は右ね!」とジェスチャーで教えてくれた。「オッケー!」とジェスチャーを返し、お辞儀してその方向に進む。

 <昼>

来た道を駅まで戻る。来るときに気になっていた「クラフトビール屋」に寄ることに。ここで醸造しているそうだ。

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「いらっしゃいませ!」と気の良さそうなお兄さんが接客。5種ある中から個人的に好きなIPAを注文。しっかりとした苦味がありながもさっぱりした飲み口だった。美味い。

店主・醸造長でもあるお兄さんにいろいろ話を伺う。酒の醸造・蒸留はそこそこ知っていてプロにインタビューする程度の知識はあるのだ。だが、結局はお兄さんの身の上話を聞いてしまう。

元々、大手ビールメーカーに勤めていて、やがて地ビールメーカーに転職し、独立したのだとか。今年で3年目になるのだとか。「インバウンド目的もあったので正直、今キツイっす。でも頑張ります!」とのこと。酒呑みとしては是非頑張って頂きたく思う。

IPAをごちそうさまし、店の外に出ると私と同世代の夫婦?カップル?のお二人がメニューを見て悩んでいたので「今飲んできたけど美味かったっすよー」と声を掛ける。「どれがお勧めですか?」「うーん、これとかあれとか…、ていうかビール造ってる人が店に居るので彼に聞いた方が良いと思いますよ」「そりゃそうっすね!飲んできます!」「ちなみに私、別にこの店の回し者じゃないすからね」と笑いながらのやりとりで早速少しはこの店に協力できたか?

駅に到着。まずは切符を購入することに。すると浦和へ気持ちよく帰るためには15分後の電車に乗らなくてはならないとのこと。日光は蕎麦も美味いとのことで食べてから帰ろうと思っていたのだ。だが15分では難しい。その次の気持ち良い電車となると2時間近く後になるとのことで流石に遅い。蕎麦は諦めて駅の売店で車内バー用品を調達する。

茶店でお姉さんに「アイスコーヒー代支払うので代わりに氷を分けて下さい(ハイボール用にしたいのです)」と言ったら、普通にアイスコーヒーを淹れてくれた上に袋いっぱいごっそり氷をくれた。日光のホスピタリティー、素晴らしい。

なのでまずは特急が停まる「下今市駅」までの10分間、アイスコーヒーを飲みながら往くことに。酒の合間のアイスコーヒー、旨し!

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特急に乗り換える。流石に帰りは個室でなくて一般席だが充分ゆったりとした良い座席だ。車内バーを開始する。つまみ代わりに買ったのはわっぱ飯風の駅弁だ。おかずが多そうだったので。ビール・ハイボール等で乾杯だ。旨し!

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ご飯は3/1程度頂いた。

車窓を眺めていると徐々に山並が無くなっていき、普通の住宅街が広がっていく。あー、旅が終わるなぁ。いつも感じるがこの日常に戻っていく感はイヤだなぁ。

大宮を過ぎ、浦和に到着。完全に日常に戻ってきた。

<夜>

ところで日光で食べたかった「蕎麦」の欲求は駅弁では昇華されなかった。なのでしばしば登場する「富士そば」でもりそばを頂いてしまう。これはこれで旨し…。

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やがて帰宅する。入浴を済ませ、荷物を片付けて晩酌の開始だ。0ビールやハイボールで乾杯だ。

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昨日、妹の旦那の実家(北海道)からホタテが送られてきたため、母に調理を依頼しに来たらしい。なのでそのご相伴にあずかることに。本場のホタテ旨し!ちなみに日光から湯葉の土産を買ってきたのでオクラ・温泉卵と混ぜて食べたがそれも旨し!

食後、ハイボール片手に自室へ。いろいろと溜まっていた作業や対応などを行う。ようやくてっぺん近くの時間に対処を終えた。その後、少しゆっくり過ごし、就寝した。